特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)の違い 前半編
「特別養護老人ホーム」(略称:特養)と「介護老人保健施設」(略称:老健)は、どちらも介護保険を利用して施設に入居し、介護サービスを受けることができる介護保険の「施設介護サービス」の一つです。
しかし、その役割やサービスは様々な点で異なっています。
ここではそれぞれの違いと特徴について詳しく解説します。
特養と老健はどう違う?
両者の大きな違いは、特別養護老人ホーム(特養)は介護を受けながら長く生活をする施設で、介護老人保健施設(老健)は介護を受けながらリハビリをして在宅復帰を目指す施設であることです。
また、老健は3ヶ月~6ヶ月程度の一定期間で退去することが前提の施設であることから、特養と比較して空室があり入居しやすい状況ではありますが、終(つい)の棲家にはできません。
両施設の違いについて詳しくみていきましょう。
特別養護老人ホーム | 介護老人保健施設 | |
---|---|---|
施設の役割 | 中~重度の要介護高齢者が身体介護や生活支援を受けて居住する施設 | 要介護高齢者にリハビリ等を提供し在宅復帰を目指す施設 |
入居条件 | (原則)要介護3~5 | 要介護1~5 |
サービス内容 | 身体介護を中心とした自立支援 | 医療的ケアとリハビリ |
設備 | 居室、浴室、トイレ、食堂など生活に必要な設備が中心 | 居室や生活に必要な設備に加え、リハビリに重点を置かれた設備が充実 |
居室タイプ | 個室/多床室 | 個室/多床室 |
居室面積 | 10.65㎡以上 | 8㎡以上 |
費用 |
入居一時金:なし 月額費用:8~13万円 |
入居一時金:なし 月額費用:9~20万円 |
入居期間 | 終身利用 | 原則3ヶ月 |
入居難易度 | 入居待機者が多く数ヶ月以上待つ場合がある。 | 特養と比べると待機者は少なく比較的入居しやすい。 |
施設の役割と入居条件
特別養護老人ホーム
自宅での生活が難しい中~重度の要介護者が対象の施設です。入所基準は原則、要介護3~5に認定されていることです。
介護老人保健施設
病状が安定した方が、機能維持・改善のためのリハビリを中心とした介護を受け、在宅復帰を目指します。病院と老人ホームの中間のような施設で、要介護1~5の方が対象です。
サービス内容
特別養護老人ホーム
中~重度の要介護者の生活を支える介護が中心となり、食事や入浴、排せつなど日常生活の介護や機能訓練・健康管理、そして療養上必要な世話などが受けられます。
介護老人保健施設
在宅復帰を目指していることから、看護、医学的な管理のもとリハビリに重点を置いた介護を受けることができます。
設備
館内設備は、特養・老健ともに共通して生活に必要な浴室やトイレ、食堂などがあり、リハビリや診療に利用する部屋があります。