福祉用具ってどんな物があるの? レンタルまでの流れ

 

 

軽度者への「例外給付」とは

上記の表のうち対象介護度に条件がある福祉用具についても、例外的にレンタルが可能になる場合があります。

対象介護度に合致しない軽度者であっても、医師の意見に基づき福祉用具の利用対象像(下記のいずれか)に該当すると判断され、保険者である市区町村が特に必要と認めた場合です。これを「例外給付」といいます。

 

 

 

 

 

軽度者の利用状態イメージ
1.疾病などにより状態が変動しやすく、日または時間帯によって頻繁にその福祉用具が必要となる人

2.がんの末期などの疾病などにより状態が急速に悪化し、短期間のうちに確実にその福祉用具を必要となることが見込まれる人

3.疾病などにより身体への重大な危険性または症状の重篤化の回避など、医学的判断からその福祉用具が必要と認められる人

「例外給付」を利用する場合は、ケアマネジャーに相談のうえ、保険者である市区町村に届出を行います。

まずはケアマネジャーに相談する

福祉用具貸与サービス」を提供できるのは、都道府県または市区町村の指定を受けた「福祉用具貸与事業者」のみです。

指定事業者には、専門知識をもった「福祉用具専門相談員」が配置されていて、利用者の体調や環境に合わせた福祉用具の選択をサポートしてくれます。

事業者を選ぶには、まずケアマネジャーに相談することから始めます。既に心当たりの事業者があるときも、ケアマネジャーを通しましょう。

また、福祉用具を選ぶ際は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員だけでなく、利用者の状態に応じて、医師、看護師、理学療法士などのアドバイスも受けながら、適切な用具を選ぶようにします。

 

 

 

 

 

レンタルまでの流れ

福祉用具をレンタルするまでの流れは次のとおりです。

福祉用具の利用手順
STEP1 ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談

STEP2 ケアプランを作成し、福祉用具貸与事業者を選定

STEP3 福祉用具専門相談員が利用者宅を訪問し、用具を選定・提案

STEP4 事業者が用具を納品し、利用者の適合状況を確認

STEP5 用具を決定、利用者と福祉用具貸与事業者が契約

STEP6 レンタル・サービス開始

STEP7 福祉用具専門相談員による定期的なメンテナンス及びアフターサービス(用具の変更も可能)

 

福祉用具はレンタルより購入した方がお得?

レンタルした場合と、購入した場合で費用を比べてみると……?

介護保険では、レンタルできる福祉用具と購入できる福祉用具は区別されています。

例えば、介護保険車いすはレンタルできますが、購入はできません。車いすを購入したい場合は一般購入になるため全額自費(保険適用外)になります。

それでも福祉用具を長期間使用するのなら、レンタルするよりも購入した方が安くなるのではないか?といった疑問の声を聞くことがあります。介護保険でレンタルした場合と一般購入した場合の価格を比較してみましょう。

一例として、一般購入額128,000円(定価)の標準型の自走車いすは、介護保険でレンタルすると月額500円程度(自己負担1割の場合)になります。

従って、レンタル料金256ヶ月分で一般購入額に到達します。256カ月は21年以上ですから、レンタルできる福祉用具は、購入するよりも安くなるという判断ができると思います。

 

 

 

 

 

 

福祉用具は定期的なメンテナンスが必要

しかし、福祉用具は使用中に不都合があったり、利用者の身体の状態に変化があったりしたときは、調節や選び直しをして常に利用者の身体に合うものを使用しなければなりません。

福祉用具専門相談員はそのために利用者宅に訪問し、定期的にメンテナンスを行い、利用者に不都合がないかどうかを確認することが義務付けられています。そして不都合があれば、用具を取り換えることになっています。

福祉用具相談員のアドバイスで最適な用具選びを

インターネットやホームセンターなどで、車いすなどが安価に売られていることがあります。

しかし、要介護者の福祉用具は毎日使うものであり、事故などのないよう福祉用具専門相談員のアドバイスを基に最適なものを選ぶ必要があります。

また、高齢の要介護者は、状態の変化や体格の変化が起こる可能性が大きいため、例えば同じ車いすをずっと使用する事例のほうが少ないといえるでしょう。

こうしたことから、安全面からも、選び直しが可能という面でも、レンタルできる福祉用具はレンタルした方がよいといえます。

ただし、介護保険の適用基準の用具では合わず、特別にオーダーメイドなどで作らなければならない心身の状態や生活環境がある場合は、高額になっても自分用の車いすなどを購入される人もいます。

 

 

 

 

 

 

まとめ

心身の機能が低下した高齢者であっても、福祉用具を適切に利用することにより、自立した日常生活を送ることができます。

また、福祉用具は介護者の負担を軽減します。このように、福祉用具は介護する家庭の生活の質を改善してくれるものです。

介護が始まって福祉用具をすぐに利用しなくても、どんな用具があるのかを知っておくと、介護生活の安心感につながると思います。

そのためにも、ケアマネジャーに福祉用具のパンフレットをもらって見ておくとよいと思います。また、市区町村や地域のイベントなどで福祉用具展示会が行われた時は、出かけてみることをお勧めします。